実にン十年ぶりとなる映画鑑賞してきました。
TVCMでもやってましたから、ご存じの方もいらっしゃると思われる【─空海─ 美しき王妃の謎】。
監督は陳凱歌(チェン・カイコー)。
この方の作品は好きで、【始皇帝暗殺】(1998)はものすごい気に入って2回観に行きました。
【さらば、わが愛/覇王別姫】(1993)はロードショーは観れなかったけど、DVDで観ましたね。
原作は『陰陽師』などで有名な夢枕獏。
『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』は未読ですが、興味はありました。
今回は登場人物に変更が加わっているというので、未読のままです。
さて、ロードショーを観に行くのがン十年ぶりなので、まずは地元の映画館でやっているのかどうか、そもそも私が思っている場所に映画館はまだあるのか!?(そこまで?)
───ありました。
今はインターネットで楽々検索できるので、事前にチェックしたところ、1st上映(11:30より前)の上映ならば料金が安くなるとあったので、行ってきましたよ朝一番に!
9:10からの上映というのに結構な人。でも早めに行ったのでほどよい位置に座席が確保できました。
え? 一人ですよ、当然。
昔は映画好きな友人とか居たんですけれど、疎遠になって久しいので一人です。
その方が気楽だし。
映画のお供ポップコーン(キャラメルが好き)と飲み物も購入し、準備は万端。
最終的に座席はほとんど埋まっていたと思います。
で時間まで予告編とかCMとか流れる訳ですが……
ぶっちゃけ長すぎるんじゃ (ノ゜Д゜)ノ==== ┻━━┻
上映時間になっても延々流れ続ける別映画の予告編に何観に来たかわからなくなりそうでしたよ!!
正直膿むのでもうちょっと考えていただきたいです。
あらすじ
───1200年以上前の中国・長安にて奇怪な事件が起こりつつあり、その累は皇帝にまで及んでいた。
奇病に罹った皇帝を祈祷で治癒させる為、日本から遣唐使として訪れていた僧・空海が宮中に呼ばれるが、甲斐なく皇帝は空海の目の前で悶死する。
皇帝の死は"風邪での病死"として処理されるが、記録官の白楽天は死因に疑問を持つ。
皇帝の死と長安で起きる異変、それにはどちらも人語を話す謎めいた≪黒猫≫が関わっていた。
というわけで、図らずも皇帝の死を目撃してしまった空海と、真実を究明したいと辞官した白楽天が長安の街を闊達に動き回りながら黒猫の真実を探っていき、30年前の謎、≪楊貴妃は如何にして歴史から抹消されたのか≫を解明していくという筋書きになります。
やー、何がすごいってまずは長安の街。
空海と白楽天は本当に活き活きと長安の街を飛び回り、時には妓楼にまで入っちゃうんですが(空海、アンタ坊さんだろう! しかも踊り子とダンスしちゃったりするんだぜ)、その町並みに全然破綻がない。
当時の長安は世界最高峰の国際都市なのですが、それに相応しい人の波!
その人の多さに少し雑然としすぎている感もありましたが、あぁ、当時はこんな感じで多くの人が行き交ってたんだろうなぁ、と思わせてくれました。
で、謎の黒猫を追ううち、楊貴妃の死の真相に迫っていくわけで、30年前の玄宗皇帝と楊貴妃も出てくるわけですが、この楊貴妃がんーーー美しい!!!!!
全ての人を魅了する美しさとはこういうものなのかと思わずには居られませんでした。
顔貌だけじゃなく、立振舞、全てが美しいんですよ~!
そして、30年前のもう一人のキーパーソン・阿倍仲麻呂(阿部寛)。
悪くはない。
うん、全然悪くはないんだけど…
阿部寛さーん、あなたやっぱり身長でかいですね!!(マテコラ)
玄宗皇帝が楊貴妃の為に開いた極楽の宴で人をかき分けて前に出るシーンがあるんですが、どうみても、周りの人より頭1.5個分くらいでかい。
まぁそれはいいとして(いいのかぃ)。
あとね、あとね、どうしても言いたいのが、玄宗が鼓で、安禄山が剣舞で二人で舞い踊るシーンがあるんですが、その安禄山がめっちゃ格好良かった。
安禄山というと玄宗皇帝の治世を揺るがした安史の乱で有名だけど、大抵ぽっちゃりおデブでどう転んでも三枚目キャラなんだよね。
本人もそう見せる事で玄宗皇帝を欺いていたっていうのもあるんだけれど。
それが、酒で作られた池の畔からその中で、玄宗皇帝の鼓に合わせて水しぶきを上げて剣舞を舞うその姿が、本当に格好良かった。
結局、楊貴妃がどうなったのか、その死の真相は、ご自身で確かめていただくとして、あとは主役の二人。
空海と白楽天。
空海はなんというか、お坊さんなのになんとも云えない色気があって、歩き方も雲の上をするする歩いているような、全てわかってますよ、というような雰囲気を持ってるけれど、それがイヤミじゃない。
世の常識の上を行くけどちょっとズレてます、という感じがとてもよかったです。
私がお大師様かなり好きなのもあるんですが、そのイメージに違和感なく当てはまるような御方でした。
白楽天は彼自身、物書きとして長恨歌の完成に悩んでいて、その文学に対する熱い想いが非常に私自身の物書きとしての方向に似ているなぁ、と勝手に思ったりしました。
李白を超える詩人になるんだ、何かを作り出すものとして自身の心に響いた真実を語れなかったら何が詩人だ、と自分の心情を吐露する場面があるんですが、投影するのもおこがましいのですが、私の創作意欲に対する姿勢と重なるものがありました。
さて、久しぶりにロードショーで観た作品でしたが、非常によい映画だと思いました。
とりあえず、DVD出たら買います。
あと、長安こと西安に学生時代に行ったのですが、また行きたくなりました。
その当時青龍寺(空海が密教の修行をしたお寺)に行ってるんだよねー、そんでもって、瑪瑙で出来た首にかけられるくらいの数珠を買っていたりする。
その当時からお大師様好きだったんだね、私。
あとは主題歌を歌っているRADWIMPSの【Mountain Top】も非常に良かったのでCD買おうかな。
以上、久々の映画鑑賞でした!